奉書挨拶状 忌明けの法要

冠婚葬祭に関わる様々なマナー。
わかっているつもりでも、やはりその場面に直面した時に「どうだったかしら?」と悩んでしまうこと結構ありますね。
特にご不幸事ですとそう頻繁にあるわけでもないですし、参列側と当事者側とでも心得ておくべき
事柄も違います。
 
ご対応させていただく案件を通して、冠婚葬祭もひと昔の様に多くの人を対象とせず内輪で済ませ
る傾向が随分と多くなったと感じます。
著名な方ですとお見えになる方の人数で一種のステイタスもあるのでしょうが、一般人はそこまで
の事はあまり求めていなかったりするのでしょうね。
 
今回ご紹介させていただくのは、忌明けの法要の挨拶状です。
ご挨拶状ひとつをとっても、ハガキや封書タイプなど仕様は様々です。
 
奉書挨拶状
 
ご依頼主の方は「かなり高齢でもあるので、法要は子供と孫、そして主人の兄弟のみで済ませ、他の親戚等には、法要を済ませましたという挨拶状を送りたいと思っています。それは先方に失礼にあたりませんか?その際はどうしたらよいでしょう」とご相談を受けました。
 
「それぞれの家庭の事情もございますから、最近では無事に法要を済ませましたという事後報告
形式が多くなっていますのでご心配なさらなくても大丈夫ですよ。恐らく通夜・葬儀に参列していただいた方へご挨拶状をお出しになられますでしょうから、その節はお世話になりましたなどの一文を入れて、失礼ながら身内で法要をすませましたというお詫びの言葉をお入れすると礼を失すことにはなりませんよ。」とアドバイスさせていただき、一度原稿を作成することに。
 
お話しの中で、挨拶状だけではやはり気が引けるとのことでちょっとしたお品と共にお送りしたいというご意向もございましたので、奉書紙を使用して印刷することをご提案。
 
さて、忌明けの法要いわゆる四十九日法要はどの様なことをするのかおわかりですか?
仏教の場合、亡くなってから七日ごとに法事・法要があります。
 
四十九日までの法要を「追善法要」と言い、その後一年ごとの法要を「年忌法要」と呼びます。
なかでも、亡くなってから49日間を「中陰」と呼びます。 この間七日ごとに閻魔大王による裁きが
行なわれ、極楽浄土に行けるかどうかの判定が下されるのが四十九日目です。四十九日めは別名
「満中陰」と呼ばれ、この日が忌明けとされます 。遺族は、この間、七日ごとの裁きの日に合わせて法要を行ない、故人が成仏できるように祈ります。(※便利・わかりやすい冠婚葬祭マナーより引用)
 
そこで、故人が四十九日を迎え(忌明け)仏様になられる節目として法要をとりおこないます。
ここまでの期間、お香典やお供えの熨斗に書く表書きは「御霊前」。
四十九日以後は「御仏前」「御沸前」です。
※注意 ただし、浄土真宗の場合、「御霊前」の表記は使えないそうですので注意が必要です。
 
我々も様々なご依頼に対して、日頃から冠婚葬祭はじめ様々な知識や情報をさらに習得していかなければいけないと思っております。
挨拶状ひとつにしても、依頼される方が違うとその方のおかれている背景をも踏まえ作成することが大切です。
文例の雛形も用意はしておりますが、すべてをこの文例だけで済ませれるわけでもありません。
何事も、備えあれば憂い無しです。